「明日(みらい)の流通をつくる」をミッションに、総合食品卸売事業を担う中核企業として、食品や酒類・惣菜・包材・物流など多様なサービスを提供している三井物産流通グループ株式会社。
2024年4月1日に三井物産流通ホールディングス株式会社、三井食品株式会社、ベンダーサービス株式会社、リテールシステムサービス株式会社及び物産ロジスティクスソリューションズ株式会社(以上5社を総称して「グループ各社」)を合併し、統合シナジーにより、物流最適化による安定的かつ効率的な供給やDXを活かした調達機能の先鋭化・商品開発機能の高度化に取り組み、人々のより豊かで輝く暮らしの実現を目指しています。
グループ各社の法務機能を統合し、変化する時代に対応しながら、多彩な個人の共創を生みだすために、三井物産流通グループ株式会社法務・コンプライアンス本部が一歩踏み出した「新たな挑戦」とは。三井物産流通グループ株式会社 上席執行役員 CCO 法務・コンプライアンス本部長 入澤 豊志 様 及び 同社法務・コンプライアンス本部 コンプライアンス部 部長 薄葉 陽平 様 にお伺いしました(取材時:2025年7月)。
本記事のポイント
Over view
- 同社の法務・コンプライアンス本部の概要
- 人数:25名(契約業務主務:6名)
- 契約書依頼件数:約5000件/年間
- 導入前の課題
- 合併前にグループ各社で保管・管理していた8万5000件の契約書の契約期間管理を含む一元管理
- 人材の異動に伴う契約締結に至るまでの交渉や協議の過程、背景情報の喪失
- ビジネスの仕様書である契約書に事業部門がアクセスしやすい環境の整備
- Hubbleの利用範囲・利用文書類型
- 全社
- 契約書
- 導入後の効果
- 紙の契約書のデータ化を含めた既存契約書の一元管理による内部統制の強化
- 契約業務プロセスにおける契約情報の一元集約と事業部門による活用
- 事業部門や経営層における契約への理解を促進するAI機能の活用によるビジネスの促進とリスクマネジメントの強化
グループ5社の総合力でサプライチェーン全体の最適化を目指す合併
本日は「新たな挑戦」をテーマに取材をさせていただきます。貴社は2024年4月1日にグループ各社を統合されています。新しいスタートを切った統合の概要と背景を教えてください。
入澤
当社は2024年4月1日に、もともと三井物産株式会社の100%子会社であった、三井物産流通ホールディングス株式会社(以下、「MRH」)とMRHの傘下で中間流通事業を行っていた三井食品株式会社、ベンダーサービス株式会社、リテールシステムサービス株式会社(以下、「リテールシステムサービス」)及び物産ロジスティクスソリューションズ株式会社とが合併することにより誕生しました。
三井食品株式会社は数千の仕入先と数千の販売先を擁する総合卸売会社でした。ベンダーサービス株式会社とリテールシステムサービスは大手コンビニエンスストアチェーン向けにお弁当などの食品の容器や包装材などの供給、それらの原材料の調達、包装材のデザインの制作、コンビニ店舗のカウンターで販売される唐揚げ、コーヒー、スムージー、おでんなどの供給を行っていました。また、物産ロジスティクスソリューションズ株式会社は、物流サービスを提供しておりましたので、グループ各社の合併により、食品の原材料の調達、食品の製造、販売から物流までサプライチェーン全体を当社が一貫して提供できる体制が整いました。
現在は、グループ5社の知見を結集し、サプライチェーンの最適化による安定的且つ効率的な供給体制の構築やDXを活かした調達機能・商品開発機能・供給機能の高度化に取り組んでいます。

三井物産流通グループ株式会社上席執行役員 CCO 法務・コンプライアンス本部長 入澤 豊志 様
まさに、国際情勢の変動、人材不足や円安の影響による原料価格の高止まりなどの社会情勢を受けて生活に直結し、喫緊の課題となっている食品サプライチェーン全体の最適化を牽引されていらっしゃるのですね。合併前、入澤様はどのようなキャリアを歩まれてこられたのでしょうか?
入澤
私は1993年に三井物産株式会社に入社しました。貿易立国である日本において、お米をはじめとした食料の安定供給を実現し、日本社会に貢献することが入社動機であり、事業部門への配属を希望していました。しかし、法学部出身であったこともあり、入社時に法務部に配属されました。
入社当初は数年後には事業部門へ異動したいと考えていましたが、あるブランドビジネスに関する紛争対応をきっかけに、個別具体的なビジネス案件に対して法務の観点から取り組むことが社会貢献や社会正義の実現にもつながっていることや、契約書がビジネスを形作っており、そのビジネスが世の中に良い影響を与えていると感じ、法務部に残ることを決めました。
以後、資源開発やプラント建設等、あらゆる事業領域において、一貫して法務業務を担当してきました。その後、ペンシルバニア大学のロースクールへの留学やロンドンやニューヨークでの駐在を経て、合併前の三井食品株式会社に出向となり、合併後に、当社の上席執行役員 CCO 法務・コンプライアンス本部長に就任しました。
入澤様のこれまでのキャリアは、現在の貴社の法務・コンプライアンス本部における、ビジネスにより深く関わる姿勢にも強く影響しているように感じます。薄葉様のご経歴もぜひ教えてください。
薄葉
私は2014年にリテールシステムサービスに入社し、リスクマネジメント部に所属して契約書や与信審査等を担当してきました。私も、2014年にリテールシステムサービスに入社するまで一貫して法務業務に携わってきましたが、それまでは定型的な契約業務が大半でした。
しかし、リテールシステムサービスでは、下請法への対応や社会情勢の変化を受けた契約への影響への対応や、主要取引先である大手コンビニエンスストアチェーンの法務部の方との勉強会の経験を通じて、改めて法務業務への魅力を再発見しました。
グループ各社の合併後は、当社の戦略法務部を経て、現在は法務・コンプライアンス本部 コンプライアンス部の部長として、コンプライアンスに関する各種取組みや内部通報等への対応業務、及び47に亘る関連業法の許認可や届出の管理等を担当しています。

三井物産流通グループ株式会社法務・コンプライアンス本部 コンプライアンス部 部長 薄葉 陽平 様
薄葉様も長年の法務キャリアをお持ちなのですね。貴社の法務・コンプライアンス本部の概要をご紹介いただけますか?
薄葉
法務・コンプライアンス本部は、グループ経営戦略、株主総会・取締役会の運営支援、法務業務企画、コーポレート関連の契約書の作成・審査、契約データベースの管理を担う戦略法務部、ビジネスに関する契約書の作成・審査、法務相談対応、その他ビジネスに関する法的支援を担うビジネス法務部、内部通報等対応や業法管理を担うコンプライアンス部の3部で構成されており、ビジネス領域によってビジネス法務部は第一室、第二室、コンプライアンス部もコンプライアンス室と業法管理室に分かれております。
貴社の年間の契約書審査件数とビジネスモデル上多い契約類型を教えてください。
入澤
当社全体としては年間5000件ほどの契約書を締結しておりますが、法務・コンプライアンス本部が契約書審査依頼や法務相談を受けるのはそのうち2000件ほどです。
多様なビジネスを展開しておりますが、最も多い契約類型は売買契約書です。従来は定型的な契約が多く、自社雛形からの変更箇所の検討が主な業務でしたが、DXの波がサプライチェーン全体に大きな影響を及ぼし、また、グループ5社の合併により当社のビジネスの在り方も大きく変わりつつある今、定型的ではない新規の類型の契約や新しいビジネスモデルの検討など柔軟な対応が求められることも多くなってきています。
貴社の「新たな挑戦を楽しもう」や「変化の波を乗りこなせ」等のValuesも、変化に対応しながら新しい取り組みが企業全体で重要であると感じます。
入澤
私も経営会議に参加しながらMVV(Mission、Vision、Values)の策定に関わりましたが、AI時代の今、新たな挑戦を楽しむ姿勢や変化の波を乗りこなす能力は、法務・コンプライアンス本部のメンバーにも必要と強く思っています。
たとえば、当社では、取引先のプライベートブランド(PB)の開発において、原材料等の一元的な管理に向けた取組みや、AIを活用して取引先の需給管理を行う取組みなどを行っておりますが、これらの取組みについては定型化されたひな形では対応できないため、契約書もテイラーメードにならざるを得ません。
一方、当社は約4000社の仕入先と2000社の販売先、そして291社の配送会社との多数の取引がありますので、日々の定型的な取引も重要です。
月間約150件の審査依頼や法務相談に対してビジネス法務の主担当者6名で対応しておりますので、人手が足りておりません。私を含め管理職のメンバーが若手のメンバーに対して、契約書の作成の仕方等について教育をしていますが、リソースが逼迫すると、教育に時間を割けなくなります。
法務・コンプライアンス本部としても、AIの活用等を通じて、業務を効率化することで若手の教育機会を増やすなど、未来志向で挑戦を楽しみながら業務の在り方を再設計したいと考えています。

内部統制上もビジネス推進上も契約書を適切に管理することが合併後の経営課題に
Hubble導入前、貴社ではどのような課題をお持ちだったのでしょうか?
薄葉
合併前は、グループ各社で契約書審査の受付、案件管理、契約書管理の方法等がそれぞれ違っていましたので、合併に際してそれらを融合・統一化していくことが求められていました。
また、各社で保管・管理している契約書が総計8万5000件あり、また、新規で年間5000件の契約書が発生することが見込まれるため、これらの契約書をどのように統合して管理していくべきかを考えることが最初の課題でした。
グループ会社5社それぞれに企業文化もあり、業務を統合する大変さは想像を絶します。
入澤
合併の2年前から、グループ各社のうち事業会社4社の法務や総務等のコーポレート部門所属の社員を、事業会社4社を傘下に持つ持株会社であるMRHに出向して貰い、事業会社4社の法務機能を含むコーポレート機能を統合する取り組みを行ってきました。
しかし、実際に合併してみると、事業部門への接し方、法務組織内での意思決定の仕方、契約書審査の基準や品質などにおいてもグループ各社の違いが鮮明になりました。
薄葉
出身企業によって法務担当者の仕事の進め方や、事業部門とのコミュニケーションの取り方などを含めて、違いがありますよね。
多様なものこそ次なる進化にとっては必要でもありますので、多様性を力にするため、合併1年目は車座やチームビルディング企画を通じて、出身企業も含めた多様性を認め合うことを重視してきました。合併2年目である今年は多様性を認めた上で共通認識を形成し、共通のゴールを実現していくフェーズです。
Valuesの「多彩な個から共創を」の実現に向けた取り組みを行っています。

ありがとうございます。そうすると、合併による契約書管理の統合がシステム導入の契機になったのですね。
入澤
はい。グループ5社で契約書管理の方法も異なっており、契約書も法務部門で一元的に保管できている企業もあれば、事業部門の責任で保管している企業もありました。また、契約期間の期限管理を含め、契約書管理を厳格に行えていないことも明らかになりました。内部統制の観点から契約書管理は重要ですが、これが出来ていないという点が課題感としてありました。
また、そもそも、契約書は、単なる文書(voucher)ではなく、収益の源泉であり、取引の進め方や条件だけでなく当社の価値観も反映させた取引条件(Business Terms)が記載された重要なビジネス文書です。そうした契約書を事業部門が主体的・積極的に活用できるようにしていくためにDXを推進することも課題として認識しました。

現場には具体的にどのような課題感があったのでしょうか?
薄葉
物流関連の契約は各物流センターが管理しているのですが、実際に契約交渉をするのは本社営業担当者であるため、過去の契約書を営業担当が確認したい場合に所在が分からなくなり、法務・コンプライアンス本部に問い合わせが入り契約書を探す工数をとっていました。
また、契約書を探しているうちに法務・コンプライアンス本部でも把握していなかった契約書が見つかり、取引先と再交渉が必要になることもありました。
そこで、現場でも期限管理を含めて一元的に契約書を管理できる仕組みが必要だという認識がありました。
合併後、最初に入れたのはどのような契約書管理システムだったのですか?
薄葉
グループ各社のうち、2社は契約書をシステム上で管理しており、1社は各事業部門で管理しており、1社はスプレッドシートで管理していましたので、合併後にグループ各社の契約書管理台帳を統合することができませんでした。そのため、まずは総計8万5000件存在する契約書を一元的に台帳管理するためのシステムを導入しました。
その後、システムの切り替えをご検討されることになった背景も教えてください。
薄葉
導入した契約書管理システムにおけるAIの読み取りの精度が高くなく、これを補うために全件オペレーターの方に目視での確認に委ねる必要が生じました。当然、人が目視で確認できる処理件数には限りがありますので、試算すると8万5000件の契約書を全てデータベース化するまでに5年以上がかかるということが判明しました。
5年間の間、事業部門が過去の契約書を確認したいと思ってもアクセスできず、期限管理等ができない状態が続くようではビジネスに支障が生じ、内部統制上の問題も解決できず、経営からの期待に応えられないと判断しました。そのため、導入後半年経過した段階でシステムの切り替えを検討し始めました。

内部統制強化のために行ったシステム切り替えではAIの精度と事業部門の使いやすさが決め手に
そうした中で、まずは締結後の契約書管理ができる「Hubble mini」をご検討いただくことになりました。
薄葉
はい。8万5000件の契約書全てのデータベース化を早期に完了できるAIの読み取り精度を持つシステムを探して、「Hubble mini」を検討し始めました。
入澤
契約書はビジネスの設計書であり仕様書です。そのため、契約書の内容を最も把握しているべきは事業部門の担当者です。
契約書をしっかり読み込んで、自分で管理している事業部門の担当者もいますが、それを法務部門に任せて、過去の契約書の内容についていつも法務部門に問い合わせる方も多くいました。しかし、いちいち問い合わせに対応するのでは双方にとって非効率ですので、事業部門が自ら契約書にアクセスし、活用できる環境も必須でした。
法務部門としても、そうした環境を整備できれば契約書を探すという無駄な業務がなくなり、より重要な業務に注力できます。「Hubble」や「Hubble mini」は、事業部門における使いやすさの面でも優れていますので、その点も「Hubble」や「Hubble mini」の導入決定を後押しする要素になりました。

その後、締結前も含めて契約業務全体を管理・効率化できる「Hubble」をご導入いただくことになった背景を教えてください。
薄葉
もともとグループ各社の法務部門でも合併後の法務・コンプライアンス本部でも、事業部門からメールで契約書審査依頼を受け付けており、法務・コンプライアンス本部の各部・室の部長・室長がメンバーの能力と業務負担状況を見極めて案件をアサインした後は、担当者がメールを通じて事業部門担当者とやり取りを行いながら審査を行い、稟議を経て電子署名または紙での押印で契約締結した後、契約書管理システムで契約書を保管・管理していたのですが、それぞれのフェーズでシステムが分かれていました。
事業部門は異動が多く、担当者が変わることがありますし、法務・コンプライアンス本部も今後出向や異動で人材の異動が発生する可能性もあります。契約書の完成版は契約書管理システムで確認できても、締結に至るまでの交渉や協議の過程を担当者が引き継がないと、会社にとって重要な情報が失われてしまいます。
また、契約更新の是非を検討する際や類似契約書を参照する場面でもメールの文面と作成当時のドラフト内のコメントを遡らないと背景がわかりません。
そこで、システム上で案件の受付から審査、締結後の保管・管理まで一気通貫で管理できるシステムを導入することで、法務・コンプライアンス本部にとっても事業部門にとっても重要な情報やナレッジを蓄積しながら契約業務全体を最適化でき、コストメリットも出すことができると判断し、「Hubble」を導入することにしました。
他のシステム導入の半年後に、システムの切り替えを行うとなると、社内の説得も大変だったのではないでしょうか?
薄葉
そうですね。CFOには3回以上説明に行き、懸念点を稟議にも記載し、その解消のための対応策やコストメリットを提示しました。
既存の8万5000件の契約書について5年間期限管理ができず、事業部門で参照もできないとなると、内部統制上もビジネス上も問題が生じます。
一方で、8万5000件の契約書の中から、必要な契約書や関連契約をワンクリックで検索することができる環境を作るためにAIの精度も含め、Hubbleの必要性を丁寧に説明しました。
その結果、合併後の全社の契約書を一元管理することが重要な課題であることと、その重要課題を解決するためにシステムの切り替えが必要であることを経営陣に理解してもらうことができました。

入澤
薄葉さんとシステム切り替えを主導してくれた恩田さんの熱量が経営陣に伝わったのだと思います。熱量は伝播しますから、Hubbleの熱量がHubbleの信頼度の高さや顧客に寄り添う姿勢と相まって薄葉さんや恩田さんに伝わったことが熱量連鎖のスタートですね。
とても嬉しいお言葉をありがとうございます。
AIを活用しながら法務のクラフトマンシップを養成し、新たな挑戦を続けていく
現在、Hubbleはどのようにご活用いただいているのでしょうか?
薄葉
紙の契約書のデータ化を含め、Hubbleのカスタム項目AI自動入力機能を用いて、既存の8万5000件の契約書を一元的な契約管理台帳に統合しているところです。これにより、基本契約書と個別契約書、覚書など各契約書の関係を整理し、取引先とどのような契約書を締結しているのか把握できるようになると考えています。
また、新規の契約については、Hubbleを用いて契約業務フローを回すことで、契約締結に至るまでの審査過程や協議の内容、背景情報なども一元的に集約できるようになりました。
入澤
複数の当事者で締結する契約等、複雑な契約書の内容をビジュアライズできる契約関係の図解機能や契約内容を要約・解説する契約要約機能等、事業部門が契約書の理解を深める機能を今後、全社で積極的に活用してもらえるように環境整備をしていきたいと思っています。
法務部門が言葉で説明しても契約の専門的な知識がない方にとっては理解し難いことがあります。図解や要約を通じ、契約書の内容を理解しリスクに気づきやすくなると、法務部門も事業部門も共通の土台の上で効率的に協議を進めることができ、また、クリエイティブな対話にも時間が割けるようになるので、こうした事業部門の理解を促進する機能は非常に重要であると感じています。
このようなHubbleの活用を前提に、これから貴社はどのような挑戦に取り組まれていくのでしょうか?
入澤
契約審査の平準化と法務人材の教育の2つに取り組んでいきたいと考えています。
まず1つ目のグループ5社合併後の契約書審査の平準化から、具体的な内容を教えてください。
薄葉
グループ5社の合併後、事業部門は事業の融合が進んでいます。そうした中で、法務・コンプライアンス本部でも、グループ各社の法務部門が管理していたそれぞれの契約書雛型をどのように統合していけばよいのかが課題になっています。また、グループ各社の法務部門で異なっていた契約書の審査基準についても統合することが課題になっています。
そこで現在は、グループ各社にあった多数の契約書雛型を整理・統合するとともに、契約書審査を平準化するためのプレイブックを順次策定しているところです。また、雛型の類型やオプション条項に幅を持たせることで、事業現場の判断の裁量を広げていくなど、契約書審査の効率化と品質の向上を両立していきたいと考えています。
2つ目の法務人材の教育についてはいかがですか?
入澤
入社半年くらいまではAIレビューシステムも役立ちますが、入社半年後は、AIが出力する定型化されたアウトプットではなく、事業部門が言語化できていないところをどのように言語化していくのかというコンサルテーションする技術が重要になります。
人と人とのコミュニケーションの中で、事業部門が実現したいと願っていることを引き出した上で簡潔・正確に書面に落としていく技術に加えて、事業部門の夢の実現に向けて勇気づけたり背中を押したり、時に事業部門が道を外れないようにガイドしたり、事業部門が実現したいことと経営の方向性を繋ぐのが法務部門の仕事です。
これらの仕事をこなすにはクラフトマンシップが必要ですが、従来は5年から10年の下積みの時間をかけてクラフトマンシップを養成していました。私も入社した当時、夜遅くまで契約書の審査や事業部門との打合せをして終電に飛び乗って帰るという生活を繰り返す中でようやく一人前になった経験があります。
しかし、現代では、多様な価値観やライフスタイルを前提として法務人材の育成を図る環境が必須であると考えています。
定型的な契約書の処理や反復作業はAIに委ね、教育や事業部門や経営とのコミュニケーションなど、より付加価値の高い人間に優位性のある業務に時間を割ける環境を作ることで、多様な価値観・ライフスタイルの中で個々人が輝ける職場環境を作っていきたいです。

さらに、貴社ではどのような挑戦を続けていくのか、今後の展望を教えてください。
入澤
従来型の卸売事業ではなく、原料の調達、食品の製造、物流、販売までのサプライチェーン全体において、顧客基盤と当社の物流機能・DX機能等の機能を活かして、様々な課題を解決する企業として、お客様や社会全体に新しい価値をご提供していきたいと考えています。また、海外にも更に進出していきたいですね。
今まで自分が経験したことこそが正しいと思わず、変化する社会への対応やこれからの時代をどのように創っていくか将来思考で考え、取り組まれていることがよくわかりました。本日はお忙しい中、素敵なお話をありがとうございました!

会社概要(2026年1月現在)
Company Profile
| 会社名 | 三井物産流通グループ株式会社 |
| 所在地 | 東京都港区西新橋1丁目1番1号 |
| 設立 | 2024年4月1日 |
| 代表者 | 代表取締役社長 柴田 幸介 |
| 事業内容 | 加工食品/酒類/食材及び原材料/消費財等の総合卸売事業、ロジスティクス事業及び関連サービス、商品開発・購買などリテールサポート事業、店舗消耗品/包装資材及び原材料の企画・販売事業 ほか |
| URL | https://www.mbrg.co.jp/ |
より詳しいお話をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
Hubbleの詳細についての資料も、こちらよりダウンロードできます。

